スポンサーリンク
「マンションが買った時の価格より上がった」
そういう話を酒の席で知人から最近聞きました。
この知人がマンションを買った時期はウチが最初のマンションを買った時期とほぼ同じくらいでした。
その時期は99年頃で都心のマンションもかなり安かったようで、政府の住宅政策で住宅ローン控除というありがたい制度が始まり、調子にのってマンションを買う人が増えた時代だったようです。
当時、まだ賃貸に住んでいたのですが、妻が、こんな高い家賃払い続けるくらいならマンション買っちゃった方が良いんじゃない、と勧めたのです。
実は当時の周辺家賃が、下がり続けていたことに気がついていなかったのです。
同じマンションの上の階の物件の家賃がウチより安く出ていた事を知ってしまったのです。
大家と交渉して下げてもらうという方法もあったのですが、ある事情があって交渉がしづらかったのです。
そこから新しい賃貸物件探しが始まり、結論として、より低い家賃帯で、ほぼ同じ条件の物件はなさそうだということになりました。
行き着いた先が「マンション購入」だったのです。
そのマンションの価格が買った時の価格より高くなっていると気づいたのが2006年でした。
いわゆる都心のプチバブルです。
この時、マンションを売り払って家を新築するという冒険に踏み出しました。
結局1500万円の泡をつかみそこねて終わりました。
その時の顛末はこの記事で↓
不動産投資の勉強:リーマンショックから6年
冒頭の知人の「マンションが買った時の価格より上がった」という一言を聞いて自分が体験した阿呆な失敗を思い出したのです。
マンションの価格が上がったから、と言って、その人は売却益を稼ごうとしているわけではないだろうな、とはわかっていました。
ただ単に雑談のネタとして口走っただけでしょう。
マンションを高く売るにはどうしたらよいだろう?
そういう相談をされたわけではありません。
しかし、思わず、「自分と同じ失敗をしてほしくない」なんて考えてしまいました。
全く大きなお世話だと思います。
マンションの価格なんていつ下落するか、わからない。
東京オリンピックまで今の状態が続くなどという楽観的な見通しを語る評論家はいるが、そんなことを信用してはいけない。
本当に利益を得るつもりなら今すぐに引っ越して、マンションを売りに出すべきだ。
ウチのように1年放置した結果、リーマンショックにぶち当たり大損する可能性はある。
経済の先行きなど誰にもわからない。
上がったものは必ず下がる。
などなど色々と、自己の失敗から得られた教訓めいたことを説明してしまいました。
不動産投資や不動産でお金を稼ごうとしているわけでもなく、そのような知識のない一般人に不動産の話をしてはいけない。
そう心に決めていたのですが、やはり目の前に「儲け話」のようなものをちらつかせられると、うっかりその禁を破ってしまいます。
おそらく、その知人は何も行動を起こさないと思います。
それはそれで、平穏無事な人生を過ごすこととなるでしょう。
ただ、「不動産」というものは「動かないから不動産」と呼びます。
その「動かないもの」を「動かす」とそこから想像もできないパワーが生まれることを今までの体験で知ってしまった身としては、自分の体験を語らざるを得なくなるようです。
もちろん、そのパワーはポジティブにもネガティブにも働きます。
いずれにせよ「動かしてみる」という体験をしないと何も起こらないことは事実です。