不動産投資の収益物件を100件見れば最終的には1件は買える。そういう法則がある、と不動産投資の専門家が言うし、不動産投資の書籍、セミナーなどでも教えられている。
これに対して不動産投資物件を扱う業者の方が疑問を呈していらっしゃる。
つまり、ネットなどで表に出ている物件はすでに売れ残り物件で、「お宝」ではない。たとえ見つかったとしても、サラリーマン投資家のように「片手間」でやっている素人が、ちんたら融資の申し込みを銀行で行っている間に、もっと良い条件で買い付けを入れる業者や資産の豊富な人に持っていかれる。
ゆえに、延々時間をかけて物件を見て回るより、直接業者に相談して、そこから物件を購入した方が時間の無駄を防げて、探し回っているだけの人よりキャッシュフローを稼げる。
そういうことらしい。
物件を探す能力やスピードでは素人の勤め人が業者にかなうはずがない。
「表」に出ている物件は、「両手」で手数料を取ることをあきらめた業者が、売却の最後の手段として「表」に出したということ。
この2点に関しては、確かにそうだと思う。
素人が野菜を買うのに、卸売り店や農家に行かない。八百屋やスーパーに行くだろう。当然、高い品物をつかまされている。不動産業者が手数料を取ったり価格を上乗せしたりするのと同じだ。
素人がスーパーなどの小売店で野菜を買ってお得な目に会うためにはどうしたらいいのだろう。
まずキャベツを買うとすれば、どんなキャベツが良いキャベツなのかという基準を自分で判断できる「目」がなければならないだろう。
色んな店に行ってみて、値段を調べてみることも必要だろう。季節による違いもあるだろう。店のある地域によっても違うだろう。
そうやって蓄積した情報と知識が、卸売りや産地より高いはずの小売店でキャベツを買うときに役に立つかもしれない。ひょっとすると卸売りの店よりお得なものを見つけられるかもしれない。
確かに時間をかけて見てまわるよりは、不動産業者のお店に行って、「これください!」と言って買い付ける方が手っ取り早いし、楽だ。
しかし、その「買う」という時の判断力は、100件見て回った人と3件しか見ていない人とでは雲泥の差があると思う。業者に勧められる物件の真贋を見破るという点において、「物件をたくさん見なかった」という事実は大きなリスクになる。
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